こんにちは!

加藤です。

今回は、トランスジェンダー(生物学的性と性自認にギャップがある人)にとって
ホットな話題、「性別適合手術の保険適用」について、先日のGID学会での内容も少し含みながら書こうと思います。

性別適合手術の保険適用が出来る病院

2018年4月より一定条件を満たす病院

現時点では、

・岡山大病院

・札幌医科大学病院

・山梨大学病院

で性別適合手術(SRS)を実施する場合、保険適用が認められるようになりました。

金銭的な課題は多くの当事者が抱えているので、保険適用により選択肢の幅が広くなりそうです。

これから性別適合手術(SRS)を受ける方はもちろん、既に性別変更を終えている僕のような人も、更なる外科的治療によるQOL向上を望むのであれば、適用が可能ということになります。

性別適合手術(SRS)への保険適用になった場合の手術への意識調査

先日のGID学会では、保険適用になった場合の手術への意識調査を行った結果が紹介されていましたが、MTF(Male to Female:男性から女性)とFTM(Female to Male:女性から男性)両者において、すべての手術項目で「行いたい」と回答する人の割合が大きくアップしていました。

個人的には、金銭面よりも健康面への懸念が大きいので、再生医療や移植技術がもっと進歩するのであれば、陰茎形成しようと思っていますが、金銭面が改善されたことでその考えが少し具体的になった気がします。

保険適用によって益々、性別違和に対する社会的認知も高まっていくと期待できます。

性別適合手術(SRS)の保険適用外になるパターン:ホルモン療法の同時進行

しかーし、大きな課題が残っています。

なんと!ホルモン療法を受けながらのSRSは、保険適用外なんです。

それでは、

ほとんどのケースが適用されないのでは・・・泣 

 と思う部分もあります。

どういうことか、背景を少し説明します。

性同一性障害の治療にはGID(Gender Identity Disorder)ガイドラインなるものがあります。
ざっくりご紹介すると以下の7ステップになります。

1、精神科医2名によるカウンセリング
2、診断
3、ホルモン治療
4、生殖腺以外の外科的治療
5、性別適合手術(生殖腺の除去)
6、性別変更手続き
7、生殖器の形成など

基本的には、このガイドラインに沿って順を追って治療を進めていきますが、
各人が求める治療の必要性に合わせて、順序の選択が可能な場合もあります。

例えば、ホルモン治療を始める前に胸の切除を行う場合です。

しかし、性別適合手術(SRS)を受ける条件として「1年以上ホルモン投与を行っていること」が含まれています。

これは、生殖腺を除去した後の、劇的なホルモンバランスの変化を抑えるため、必要不可欠な条件となります。

また、生殖腺除去後もホルモンバランスを保つために、ホルモン治療は続いていきます。

こんな背景から、性別適合手術(SRS)を必要とする場合、ホホルモン治療と性別適合手術の混合診療がマストになる訳です。

なので、直ぐに保険適用されるケースは少ないように感じます。

性同一性障害・LGBTへの国としての理解は進んでいる

しかしながら、条件付きではあっても、性別適合手術(SRS)が保険適用になったことは、歴史的快挙です!!

保険適用になったということは、国が疾患として認めたということになります。

私は性自認に不一致があること自体は、障害や疾患ではないと考えていますが、
実際、治療が必要な当事者にとって医療体制が整備されることは、「自分解放生活」を送っていく上でも、必要不可欠だと思います。

個人的には、この分野に参入する医療機関が増えていって、地方の一般的なクリニックでもトランスジェンダーの健康ケアができる状態になっていくことを祈るばかりです。
産婦人科や泌尿器科でもっと気軽に相談できたら良いのにな・・・

今回は、ホットトピックである性別適合手術への保険適用について簡単に書いてみました。

医療系学生や医療従事者を対象に「性的マイノリティと医療」を大きなテーマとして、私のリアルな体験を盛り込みながら講義や研修を行っております。

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