自分の気持ちに素直に生きたい

セクシャリティの自覚と「普通」

加藤幹保加藤幹保

自身のセクシャリティを自覚したのはいつ頃ですか?

長谷川さん長谷川さん

しっかり自覚したのは、高校の時でした。
おや?って思ったのは中学2年生で、最初は男子が好きだったけど、仲良くしているグループのある女の子に対する見方が、他の女子を見る時と違う感覚を持っている事に気がついたんですよ。

加藤幹保加藤幹保

ほーー。それはどういった目線でしたか?

長谷川さん長谷川さん

男性的な目線で、なんか守りたいなっていう感覚を持っている事に気がつきました。

加藤幹保加藤幹保

友達に抱く感覚とは違かったってことですね?

長谷川さん長谷川さん

そうです。それが中学2年の時でしたね。遅いか早いかはわかりませんが。

加藤幹保加藤幹保

やっぱり中学生くらいでおや?って気がつく方が多いように感じます。実際、データでも中学生~高校生ぐらいで認識する人が多いです。

長谷川さん長谷川さん

ですかね。でも、その時はレズビアンとかバイセクシャルっていう言葉を知らなかったんですね。

加藤幹保加藤幹保

そうなんですね。今はおいくつでしたっけ?

長谷川さん長谷川さん

24歳です。ま、ただ無知だったいうのと、当時性的マイノリティ関連で知っていたのは、性同一性障害とトランスジェンダーという言葉だけだったんですね。だから、女の子をそういった目線で見るのは、おかしいなことだと思ったし、女の子を守りたいのであれば、手術して女の子と結婚しないとダメなんだなって当時は思っていました。

加藤幹保加藤幹保

そうか、言葉として知っていたのが性同一性障害だけだったし、男性的な目線を持っていたからいわゆるモデルケースみたいのが、FTM(female to male:体は女性、自認は男性)しかなかったって事ですかね?

長谷川さん長谷川さん

そうですね。でもその事について特に深く考える事もなく、付き合うこともせず、ただただ女の子を好きだったていうだけでした。

加藤幹保加藤幹保

はじめはそんな感じですよね。高校はどうでしたか?

長谷川さん長谷川さん

高校は共学だったんですけど、女子の割合が多くて、腐女子とかオタク系の子が多かった学校なので、その時にBL(boys love)とかも知りました笑その流れで、バイセクシャルっていう言葉も知って、実際にクラスに男女両方いける!っていう子がいて、「へー!そういう人もいるのか!」って思ったんですよね。それで、自分も男女両方いけるし、バイセクシャルなんじゃないかって思いました。

加藤幹保加藤幹保

友達きっかけだったんですね。

長谷川さん長谷川さん

あとは、TVで海外のLGBTに関する番組がやっていて、その中でレディーガガもバイセクシャルだっていうのを知って、それが調べるキッカケになりましたね。

加藤幹保加藤幹保

あれだけ有名な人がカミングアウトすると世間も含めて見方が変わりますよね。

長谷川さん長谷川さん

それはすごく感じます。

加藤幹保加藤幹保

そうやって言葉を知ってからどうでしたか?

長谷川さん長谷川さん

それで、そのバイセクシャルだって言っている子が自分のこと気になっているみたいな話を聞いたので、告白してみようかなと。告ったら別の世界が開けるかなーと。しかも、自分に好意を持ってる人ならいけんじゃね?っていう安易な気持ちで、高2の夏休み入る前に告ったんですよ。

加藤幹保加藤幹保

おー!思いっきりましたね!

長谷川さん長谷川さん

で、告ったらそのままシカトされて、ずーーーっと。

加藤幹保加藤幹保

え???マジですか。

長谷川さん長谷川さん

はい。結構自分ハートが弱いので、これは絶対夏休み明けにクラスに広まって、絶対いじめられる、絶対学校行けなくなるって思ったんです。だから、高2の夏休みあたりが一番しんどくて・・その事があってから、やっぱり自分ってやばいのかなとか思いましたね。

加藤幹保加藤幹保

結局、クラスに広まってたんですか?

長谷川さん長谷川さん

いや、それは広まってはなかったんです。

加藤幹保加藤幹保

良かったですね!?

長谷川さん長谷川さん

はい。この時思ったのは、広まってなくて良かった、不幸中の幸いって事。あとは、人に軽々しく言ってはいけないなって思いましたね。

加藤幹保加藤幹保

ですよね。そうゆう経験してしまうとね・・・

長谷川さん長谷川さん

はい。だから、自分の親みたいに、普通に結婚して子供産んでってのが終着点なんだろうなってその時は思いました。
なので、その後は男性と付き合ってみたんですけど、何か違くてすぐ別れたんですよね。
で、社会人になって同じ職場の女性の先輩を好きになって、ずっと隠してたんですけど、ある時気持ちを伝えてみて。でも、恋愛対象としては見れないからって振られ・・・基本振られるんですよね笑

加藤幹保加藤幹保

苦笑

長谷川さん長谷川さん

なので、やっぱり「普通」に生きていかなきゃなって思いましたね。

加藤幹保加藤幹保

そうですよね。

当事者との交流と親へのカミングアウト

長谷川さん長谷川さん

でも、同じように両性好きになれる人だったり同性愛の人だったりと仲良くなりたいなーと思うようになって、そこから女性専用のアプリを駆使して、色んな人と話すようになりました。そしたら、彼女ができて。そうゆうつもりじゃなかったんですけどね笑

加藤幹保加藤幹保

おー!良かったですね(^^)専用アプリは強いですね!

長谷川さん長谷川さん

ですね。セクマイ(セクシャルマイノリティ)しかいないので、色々話せますし。
でも、彼女ができても、親には言えずでしたね。付き合いが長かったので実家にも遊びに来たりしたんですけど、もちろん友達として。

加藤幹保加藤幹保

うん。そうなりますよね。僕も友達として家に連れてきてたな・・・

長谷川さん長谷川さん

そうなんですね笑その子と付き合って一年くらい経った時、東京プライドパレードに参加して、そしたら何かいきなり親に言いたくなって。

加藤幹保加藤幹保

何かきっかけがあったんですか?

長谷川さん長谷川さん

たぶん、色んなブースがある中で「LGBT当事者を持つ親の会」みたいのがあって、それを見て「親をここに連れて来たい」と思ったのがきっかけですかね。

加藤幹保加藤幹保

いいですね!そこで親を連れて来たいと思えた事は凄いです。

長谷川さん長谷川さん

何かそう思ったんですよね。それで父親に言ったら、「なるほど」って言われて。この人薄々勘付いてたんだなって思って笑

加藤幹保加藤幹保

じゃ、かなりスムーズだったんですね!

長谷川さん長谷川さん

割と。でもまぁ、軽くしか言わなかったので。で、父親から母親に言ったら、母は「最近そうゆうのが流行りだからね」って言って。
何だよ流行りって!昔からいるし。って思ったんですけど・・・

加藤幹保加藤幹保

流行り!結構そう捉えてる方多いですよね。

長谷川さん長谷川さん

はい。なので母はどう思ってるかわからないです。多分今は、現実から目を逸らしてるんじゃないかなっと思ってます。

加藤幹保加藤幹保

今は現実逃避の時期ですね。

長谷川さん長谷川さん

はい、うちの母親は現実逃避しがちなんで笑
きっと、孫の顔は見たいと思ってるはずです。ま、そこは弟に託して笑

加藤幹保加藤幹保

僕も弟に託しました笑

長谷川さん長谷川さん

そうなんですね笑

カミングアウトが持つ可能性

加藤幹保加藤幹保

友達にも親にも一応カミングアウトできて、何か変わりましたか?

長谷川さん長谷川さん

うーん。その時期と並行してビジネス活動もするようになって、その中で自分の服装も女の子寄りかは、男の子寄りがしっくりくるなってのがハッキリしてきて。基本シャツにジャケットスタイルで人に会うので、初対面の人からも「もしかして、両方いける?」みたいに聞かれることがあって。そうゆう経験から、言っちゃえー!みたいになってきたので、今では仕事仲間や初対面の人にも「自分はこうゆう人間です」って言うようにしてます。
逆に相手に印象に残るので、私としては一つの個性だと思ってます。

加藤幹保加藤幹保

同感です。敢えて言うならセクシャリティは何になるんですか?

長谷川さん長谷川さん

今自分のセクシャリティはよく分からなくて、クエスチョニングなのかなって。

加藤幹保加藤幹保

そうなんですね。性的指向は、男女どちらもですか?

長谷川さん長谷川さん

うーんそうですね。でも、割合的には女性の方が多いです。

加藤幹保加藤幹保

なるほど。

長谷川さん長谷川さん

一時期悩んだ時は、アセクシャル(無性)なのかな?って思った時期もあったんですけど、まぁクエスチョニングかな?って感じです。男性とも女性とも付き合えるけど、あまりエッチはしたくないとか色々あって、結局自分は何なんだろうって考えてたら、考えるのが面倒臭くなっちゃって。型に当てはめたくないし、自分は自分じゃん!で落ち着いたんですよ。

加藤幹保加藤幹保

本当そうですよね!
今聞いていて思ったのが、僕はLGBTの中でも割とテンプレートにはまっているタイプなので、楽ではないですけど、終着点がハッキリしているなと。性自認とか性指向がブレないので。

長谷川さん長谷川さん

ですね。それに、説明もし易いですよね。

加藤幹保加藤幹保

確かに!性同一性障害って言葉は驚くほどに浸透してますし。
でも、それこそレインボーカラーのグラデーションのように、性って多様なもので、どこかにかっちりハマるものでもないってことだなーと改めて感じました。LGBTのようなカテゴリーって、当事者外に説明する為ってのが強いですよね。

長谷川さん長谷川さん

それはすごくわかります。だから、初対面の方に説明する時は、どう表現して良いかわからないので、「どっちもいけます!」みたいな表現しかできないです笑

加藤幹保加藤幹保

ですよね。やっぱり、当事者間だと、よくある「体の性・心の性・好きなる性・表現する性」っていう共通認識が頭にあるので、すごく話がわかりますが、その図式が頭にない人達からするとハテナマークだらけですよね笑

長谷川さん長谷川さん

そうなんですよ!
だから、深い話はできないですよね。特に年齢が上の人になると余計そうで、どう説明していいやら・・・

加藤幹保加藤幹保

本当に!!色々メディアで取り上げられたりするようになって、凄く良いことだとは思うんですけど、ベースがない中で情報だけが入っている感が僕はしています。

長谷川さん長谷川さん

うん。でも、TVとかで取り上げてくれる機会も増えてきたので、それ自体はすごくいいことだなって思います。別に理解はしなくても良いので、知っててはもらいたいですよね。だから、さっきの性のベースはみんなに浸透させたいですね。

加藤幹保加藤幹保

そうですよね!!長谷川さんより若い年代の方ってLGBTに対してどんな感じですか?

長谷川さん長谷川さん

あー、若い方がやっぱり知っている・理解している人が多い気がします。でも、中にはやっぱり「そんなの気持ち悪い」みたいに感じていて、否定してくる子もいますね。だからあんまり年齢ってそこまで関係ないのかなと。周りに当事者がいるかいないかの違いかなって思いますね。

加藤幹保加藤幹保

確かに、身近な存在に感じられますもんね!

長谷川さん長谷川さん

そうなんですよ!
先日、私のセクシャリティとかをオープンにしている知人からサロンを経営されている方を紹介されて、何やらLGBTについて知りたいみたいで。今まで話してきたようなマイストーリー的なものを話したら、「自分の周りにいないから知らない」って言ってましたし、「あまり踏み込めない部分だから、当事者の人がお話ししてくれると有難い」とも言ってました。だから、セミナーみたいにかっちりした形でなくても、そういった形で話せる機会があればいいのかなって。みんな興味はあると思うので笑

加藤幹保加藤幹保

ですね。普段の生活の中で、当事者に触れ合う機会を作れるかって感じですね。

長谷川さん長谷川さん

そうですね。なので、リアルに会って一対一で話す機会があれば、フランクに話す方が私はいいなーと思って話しています。なかなか難しいんですけどね。出会いたくても出会えないので・・何かマッチングのアプリとか作った方がいいですかね笑

加藤幹保加藤幹保

LGBTとであえーる的な笑

長谷川さん長谷川さん

加藤幹保加藤幹保

今は、職場ではオープンにしてるんですか?

長谷川さん長谷川さん

全体にはしてないですけど、よく面倒をみてもらっているおっちゃんには色々話してます。
「彼女いるんですよ」って言ったら、「そうなんだ。俺の友達にもゲイいるよ」って。普通に会話成り立ってる!って最初思いました笑

加藤幹保加藤幹保

やっぱり、さっきもおっしゃってましたけど、知り合いにいるかいないかが大きいですね。

長谷川さん長谷川さん

大きいですね。そして、やっぱり誰かに話しておいた方が何か会った時に楽だと思うんですよね。同じ職場のセクマイの子にも楽だよ~って言ってるんですけど、なかなか自分からは言い出せないみたいで、そうゆう子もいますよね。

加藤幹保加藤幹保

人それぞれですからね。でも、苦しくないのかな?って思っちゃいますね。

長谷川さん長谷川さん

自分もです!言って楽になったタイプなので。それに、自分が既にカミングアウトしていて特に何もないので、言っても大丈夫だよ!って伝えているんですけどね笑

加藤幹保加藤幹保

確かに。ま、僕たちも最初から言えたわけではないので、言えない気持ちも凄くわかるじゃないですか?

長谷川さん長谷川さん

そうなんですよ

加藤幹保加藤幹保

言えるよになったきっかけって、レインボーパレードに参加した以外にもあったりしますか?

長谷川さん長谷川さん

そうですね。自分でビジネスをやり出したのが、きっかけですね。
仲間とスケジュールを組む時に、「ここ何してるの?」と言われた時に「彼女と予定ある」とは言えず隠す日々が続いたんですね。それで段々苦しくなってきました。あと、これからも一生関わっていくだろうと思う人に出会って、その人に対して隠し事をしたくないし、隠していることの嫌悪感みたいな物が募っていったので、泣きながら言ったんですよ。泣きながら笑

加藤幹保加藤幹保

泣きながら!

長谷川さん長谷川さん

はい笑 やっぱり高校の時の経験があるので、変に思われたらどうしようっていう想いがあって・・・。でも、「そうなんだ」っていう普通の返しがきて。さらに、「色んなマイノリティがいるし、ノンケでも同姓愛でもあなたはあなたでしょ」的なことを言われて、更に泣くっていう笑

加藤幹保加藤幹保


それは嬉しいですね!!

長谷川さん長谷川さん

やっぱり、人に認めて貰えるていうか、言っていいんだ!って思ってそこから徐々にオープンにして、今ではフルオープンです。
一人味方というか、言ってくれてありがとね!みたいな事があると心強いですね。

加藤幹保加藤幹保

ホントそうですよね!
きっとみんな何らかのトラウマがあるし、最初に自分自身が持つセクシャルマイノリティのイメージって、世間一般と同じでネガティブなことが多いので、言ったらどうなるんだろう?って凄く不安ですよね。

長谷川さん長谷川さん

あと何かで読んだんですけど、当事者の人が友達に言う方はスッキリするんですけど、言われた方はどうしたらいいんだ?っていう。さっき言ったサロンの方にも「どう反応したらいい?」って聞かれたので、「普通に接するのが一番だと思います」と伝えました。あっているか分からないですけど。

加藤幹保加藤幹保

僕もそれが一番だと思います。特に何かを求めてる訳ではなく、ただ言いたかったっていう経験が多いので。それに、先ほどもおっしゃってもしたけど、これかれも付き合っている大切な存在だから言うと思うんですよね、最初の頃って。
今でこそオープンにするのが普通になっているので、誰でもオープンにできますけどね笑

長谷川さん長谷川さん

確かにそうですね。誰ふりかまわず言うわけではないですからね。
色々葛藤もあったけど、今ではオープンにすることで人から覚えてもらいやすくなったし、個性なので最大限に活かしていこうと思ってますね。
ま、ありきたりなんですけど、一度きりの人生なんで、自分の気持ちには素直に行きたいなって思いますね。

加藤幹保加藤幹保

ですね!中にはオープンに出来なくて悩んでいる方もいると思うんですけど、そんな方に何かメッセージはありますか?

長谷川さん長谷川さん

セクシャリティに悩んでいる人は、難しく考えすぎなくていいんじゃないかと思います。セクシャルに関しては、考え出すと蟻地獄みたいなところがあるので。

加藤幹保加藤幹保

うんうん。自分が何なのかの答え探しが始まっちゃうと抜け出せなくなりますよね。

長谷川さん長谷川さん

そうなんですよ、変な考え方をしちゃう人もいますし。あと、オープンにしない人はしない人でいいと思うんですけど、自分は出来るだけオープンにしたほうが楽だなって思いました。それに、自分がオープンにしていると、「あなたなら」と言って打ち明けてくれる人もいますね。周りにも言っちゃったら楽なのになって思いますね。
何れにせよ、「自分の気持ちに素直に生きようよ!」って思ってます。

加藤幹保加藤幹保

それが一番ですよね!今日はありがとうございました。