加藤幹保からの過去のストーリーとメッセージ

はじめまして。

加藤幹保(かとう みきやす)と申します。

このwebサイトに辿りつき、このページを読んでくださっているということは、

LGBTQに関する問題や悩みまたは今の現状を変える方法に興味関心があってのことだと思います。

私の経験や考えが、皆さまの何かしらのヒントになれば幸いです。

性同一性障害の自覚

私は、幼い頃から性別違和に悩まされてきました。

幼いながらに、「自分はみんなと違う」と感じていました。

また、「なんで自分は女の子の体なんだろう?」「いつになったら男の子の体になるんだろう?」と本気で思っていました。

そんな性の悩みを誰にも打ち明けることができないまま高校生になり

「性同一性障害」という言葉を知りました。

自分を表現できそうな言葉に出会えた安心感と

「障害」という言葉に不安を覚えました。

アメリカの長期留学での価値観の変化

大学生になり、悩みはますます深くなっていきました。

社会には男として出たい!と決心するものの

親へのカミングアウトがどうしてもできず、前に進めませんでした。

男として生きたいという想いしか頭にない生活。

周りの男友達と自分を比べては、自分が女であることを意識する生活。

それしか考えられない大学生活から抜け出すべく、

アメリカへの長期留学を決意しました。

アメリカでの経験が価値観を大きく変えました。

個人を尊重する風土

セクシャリティーをオープンにできる環境

どれもが新鮮で、刺激的でした。

英語力だけでなく人間としても大きく成長し日本へ帰国。

性同一性障害に関して、両親への告白

アメリカの勢いのまま!っと行きたいところでしたが、

日本に戻れば日本人に戻ってしまい

再び性別違和の悩みが頭を支配していました。

大学院に進学した23歳の時、女性として生きて行くことに限界を迎え

心身ともに疲れ果てていました。

カウンセリングを受け、「性同一性障害」と診断されました。

そして、長らく言えずにいた両親へもカミングアウトをしました。

想像していた通り、両親はかなりのショックを受けていました。

特に父親はなかなか受け入れることができず、苦しんでいました。

そんな姿を見て、「娘として生きていけなくてごめん。親不孝でごめん。」という気持ちでいっぱいになりました。

男として生きていくための準備

この両親へのカミングアウトを皮切りに、

男として生きて行くための準備が始まりました。

ホルモン治療をスタートさせましたが、

効果が現れ、他人からも男性と認識されるまでが

最も辛い時期でした。

その時期に就活をするも、男性として挑むのか?女性として挑むのか?

そればかりに気を取られ、まったくうまくいきませんでした。

リクルートスーツを着て電車移動するたびに、みんなが自分を見て

「男?女?変な人」と言っているように感じ汗が止まりませんでした。

半年間の就活の末、治療費を稼ぐために女性として働こうと決断しました。

そう決断すると、派遣社員として働ける機会を頂けました。

同時期に塾講師のバイトもやりましたが、こちらは男性として雇ってもらえ

昼は女性、夜は男性という二つの顔を持っていました笑

しかし、「こんなはずではなかった。なんでこんな人生を送らなくてはならないんだ!」

と腹が立ち、家では毎日悔し涙が止まりませんでした。

男としての生活がスタート

そんな1年半の生活の間に胸オペを国内で終え

男性としてやりたい仕事をやってやる!という闘志が湧いてきました。

転職活動では、男性として働きたいという想いを真剣に訴え続けた結果、

男性社員として雇用してもらえました。

しかし、男性として生活が送れるようになっても

会社でカミングアウトしていない私は、自分らしさを出せずにいました。

今度は「女だとバレたらどうしよう・・・」という考えが頭を占領していきました。

性別違和を乗り越える過程で得た経験が、今の自分を作っていて

そこが私の1番の強みであるにも関わらず、

強みを押し殺しながら生活している自分に気づいたのです。

そんな自分を変えたい!

トランスジェンダーの環境を変えたい!

もっと自分らしく、自由に生きられる環境を作りたい!

こんな想いから、2015年サラリーマンをやりながらLGBT講師としての活動をスタートさせました。

これまで大学・教育関係・医療関係・市民の方々に講演させていただいております。

性転換後の燃え尽き症候群

2016年12月、タイに渡り性別適合手術を受けました。

26年間の女性生活に終止符をうち、

法律上も男性としての生活がスタートしました。

今まで頭の中を支配していた性に対する悩みは嘘のように消えてなくなり

ようやっと「普通」の生活を手に入れたと感じました。

仕事も精力的に行うようになり、

会社でも評価され充実した日々を過ごしました。

しかし、19歳から27歳までの大半を

「男として生きる」という大きなミッションに捧げてきた自分には

何かが物足りなくて仕方なくなってきました・・・

LGBTQや性別違和に関する講演や研修を進めていくにつれて、

性別は男性か女性しかないとする二元論が強い日本社会の中で、

活躍の場所を失っているLGBTQ+の方々が非常に多いと感じるようになりました。

特に、就労やキャリア形成については私も非常に苦労したように

自分らしく働ける環境が少ないなと痛感してました。

だったら自分が多様な人が働きやすい会社を作ればいいんじゃない?と思い

30歳を前に脱サラをして起業を目指し始めました。

紆余曲折あり、2023年12月株式会社TRANSLABを設立しました。

これからの展望

ダイバーシティ(多様性)を高めるだけでなく、

誰もが能力を発揮し、活躍できる環境をつくるというDEI(Diversity,Equity&Inclusion)を

各組織が促進していけるようサポートできる会社にしていきたいと思います!

トランスジェンダーであるというバックグラウンドも十分に活かして

LGBTQを含む多様な人々が活躍できる社会に貢献していきます。

株式会社TRANSLAB
代表取締役社長 加藤幹保