こんにちは、加藤です。

今回はLGBTが直面する世間のイメージについてご紹介します。

LGBTは精神疾患?変態?

世間のイメージはもちろん、初めて自分の性的指向や性的認識に気付いた当事者も

「自分は変態?精神的におかしい?」と悩むことが多くあります。

これは異性愛が「正常」、同性愛や性別違和は「異常」とされてきた歴史が関係しています。

1960年代まで、精神学会では同性愛を「病理」とみなされていましたし、社会でも異常視されていました。

1970年代に入って、カミングアウトするゲイが増えてきたことにより研究が進み、
社会学者た精神学者が「同性愛自体は病理ではなく、同性愛を嫌悪する感情は病理だ」との主張するようになっていきました。

そして、1990年にはWHO(世界保健機構)の疾病の区分から完全に削除され、同性愛は治療の対象ではないとされました。

一方、トランスジェンダーについては長らく精神疾患みなされてきましたが、こちらも研究が進み

2013年に性同一性障害(Gender Identity Disorder)という疾患のイメージが強い名称から性別違和(Gender Dysphoria)に変更されました。

さらに、今年2018年6月18日、世界保健機関(WHO)が正式に性別違和を「精神疾患」から削除し、

「性の健康に関連する状態」の中のGender Incongruence(現段階では、性別不合と和訳)に分類されました。

「個人の経験する性(gender)と割り当てられた性別(sex)の顕著かつ持続的な不一致によって特徴づけられる。ジェンダーの多様な振る舞いや好みだけでは、このグループとして診断名を割り当てる根拠にはならない」と定義されました。

ま、疾患ではなく性質であるという捉え方に完全に移行したということですw。

このような歴史的背景がLGBTに対する差別を生み出している大きな理由です。
  

LGBTはただの好き嫌い?

性的指向を性的嗜好と誤解し、「ヤるのが好き過ぎてノーマルプレイじゃ満足できずアブノーマルプレイに走った人」と

認識されてることがまだまだ多いです。

また、T(トランスジェンダー)についても、単純に「性別を変えたい嗜好を持っている人」と誤解されていることがまだまだあります。

しかし、何度もお伝えしてますが、「人間誰もが持つ性指向や性自認という性質の程度の話し」です。

アブノーマルを好む人はLGBTだろうとなかろうといますし、それとは別の話です。

そして、ノーマルとアブノーマルなんて人によって違うので一括りにすること自体がナンセンスなのです。

一時的な気の迷い?

特に子どもや若い年代が、同性に向く気持ちや自身の体に抱く違和感を口にすると

「それは一時的な気の迷いで、大人にならば治るよ」と言う大人がいます。

昔はそう言われていた時期もありますし、性は非常に深いので性指向や性自認には大きな揺らぎがある方もいます。

しかし、同性愛や性別違和を持つ人は、大人になるにつれその性質がはっきりしてくるケースが多いです。

そして、上記でも述べましたが「治す」対象ではないのです。

無理に病院に連れて行く親も未だにいるようですが、その治療が成功した事例は世界的に見てもありません

逆に本人を追い込み、自殺に至ってしまうことも多いのが現実です。

当事者自身、自分の気持ちや性質と向き合う時間が必要で、それはとてもエネルギーのいることですし、時間がかかることもあります。

その過程は、他人から見ればもしかしたら一時の気の迷いと映ることもあるかもしれません。

しかし、そもそも人の性は生まれてから死ぬまで変わってはならない物ではありません

歳を重ねていけば容姿や性格が変化していくのと同じことなのです。

まとめ

LGBTが直面する世間のイメージについて、その背景と世界的な捉え方をご紹介しました。

世間が持つLGBTの作られてイメージは、当事者自身が一番強く感じている部分でもあり、

自分を受け入れる過程では一番偏見を持っているのも当事者かもしれません。

その偏見により自分自身を押し殺してしまう人も少なくありません。

この記事を読んでくださった皆さんは、きっと何らかの形でLGBTに関わる方が多いと思いますので、

この事実をも頭の片隅にいれていただけると幸いです。